「子宮筋腫があると妊娠しにくいの?」
子宮筋腫が見つかって、これから妊活を始めようとしている人なら、一度は気になることではないでしょうか。
私自身、26歳のときに子宮筋腫が見つかりました。
当時は約3cm×3cmの筋層内筋腫。自覚症状もなく、医師からは「まだ若いので、症状がなければ経過観察で大丈夫」と言われていました。
そのため、子宮筋腫があることを知ったまま30歳で妊活を始めました。
ところが、その後タイミング法、人工授精を経験しても妊娠せず、筋腫も徐々に大きくなっていきました。
最終的には7cm×8cmほどになり、腹腔鏡下の子宮筋腫核出術を受けることになりました。
この記事では、子宮筋腫が妊娠にどのような影響を与えるのかを調べた内容と、実際に子宮筋腫を抱えながら妊活をした私の経験をまとめます。
子宮筋腫があると妊娠しにくい?
結論からいうと、子宮筋腫があるからといって、必ず妊娠しにくくなるわけではありません。
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。
子宮筋腫ができる場所には、大きく分けて、
- 子宮の内側に向かってできる「粘膜下筋腫」
- 子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」
- 子宮の外側に向かってできる「漿膜下筋腫」
の3種類があります。
妊娠への影響は、筋腫があるかどうかだけで決まるわけではありません。
どこにあるのか、どのくらいの大きさなのか、子宮の形を変えているのか、いくつあるのかなどによっても変わります。
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、妊娠を希望する場合の子宮筋腫については、筋腫の部位・大きさ・個数・成長速度・妊娠や分娩の時期などを考慮して、手術を行うかどうかを判断するとされています。
つまり、
「子宮筋腫がある=妊娠できない」
ということではありません。
一方で、子宮筋腫によって子宮の中が変形している場合などには、着床しにくくなることがあり、不妊との関連が考えられています。
そのため、妊活を考えているなら、「筋腫がある」という事実だけではなく、自分の筋腫がどこにあり、妊娠に影響する可能性があるのかを確認することが大切です。
妊娠に影響しやすい子宮筋腫とは?
粘膜下筋腫
子宮の内側、子宮腔に向かってできる筋腫です。
子宮の内側を変形させることがあり、サイズが小さくても症状が出やすいとされています。日本産科婦人科学会も、子宮筋腫によって子宮腔が変形している場合には、妊孕性を考慮して筋腫核出術を検討するとしています。
筋層内筋腫
子宮の筋肉の中にできる筋腫です。
私の場合は、この筋層内筋腫でした。
ただ、「筋層内筋腫だから妊娠に影響しない」「筋層内筋腫だから不妊になる」というように、一括りにはできません。
大きさや位置、子宮腔への影響などを含めて判断する必要があります。
漿膜下筋腫
子宮の外側に向かってできる筋腫です。
子宮の外側にあるため、サイズが大きくても症状が出にくい場合があります。
このように、同じ「子宮筋腫」でも、できる場所によって症状や妊娠への影響が異なります。
私は26歳のときに子宮筋腫が見つかった
ここからは、私自身の経験です。
私が子宮筋腫を指摘されたのは、26歳のときでした。
会社の健康診断で受けた婦人科検診がきっかけです。
もともと生理は重いほうでしたが、生理の重さをきっかけに病院へ行ったわけではありません。
特に自覚症状もなく、健康診断で指摘されるまで、自分に子宮筋腫があるとは知りませんでした。
健康診断で追加検査を勧められ、近くの婦人科を受診。
そこで見つかったのが、約3cm×3cmの筋層内筋腫でした。
当時は「筋腫がある」と言われて驚きましたが、特に症状もありませんでした。
医師からは、
「まだ若いので、症状がなければ経過観察で大丈夫」
という説明を受けました。
妊娠についても特に心配する必要はないというニュアンスだったので、その後しばらくは子宮筋腫について深く考えることはありませんでした。
子宮筋腫があることを知ったまま妊活を始めた
その後、30歳になって妊活を始めました。
もちろん、子宮筋腫があることは知っていました。
でも、以前から「経過観察で大丈夫」と言われていたこともあり、妊活を始めること自体にストップがかかったわけではありません。
妊活を始める前にはブライダルチェックも受けました。
検査では特に問題がなく、医師からも「まだ若いから大丈夫」というようなアドバイスを受けていました。
ただ、私は内心では少し不安でした。
「子宮筋腫があるし、もしかしたら妊娠しにくいのかな」
とは思っていたんです。
周りでも不妊治療をしている人が増えていて、私は当時30歳でしたが、「30歳なら全然若い」とは自分では思っていませんでした。
もともと生理も重かったので、子宮筋腫の存在もなんとなく気になっていました。
それでも、最初から気負いすぎないようにして、
「まあ、半年くらいタイミングを取れば、なんだかんだ妊娠するでしょ」
くらいの気持ちで妊活を始めました。
妊活を始めたとき、筋腫は5cm×6cmくらいになっていた
妊活を始めたとき、エコーで確認された筋腫は5cm×6cmくらいになっていました。
26歳のときに見つかったときは3cm×3cmほどだったので、数年の間に少しずつ大きくなっていたことになります。
それでも、この時点では「筋腫があるから妊活をやめたほうがいい」とは言われていませんでした。
ブライダルチェックでも特に問題はなく、後に受けた卵管の検査でも問題はありませんでした。
そのため、
「筋腫はあるけれど、このまま妊活を続けていけば妊娠できるかもしれない」
という気持ちで妊活を続けていました。
一方で、
「もしかしたら、この筋腫が妊娠に影響しているのかな」
という不安も、ずっとどこかにありました。
タイミング法を半年続けても妊娠しなかった
妊活を始めるとき、私は「まずは半年間タイミング法をやって、それで妊娠しなかったら人工授精に進もう」と決めていました。
そして実際に、タイミング法を6ヶ月続けました。
でも、妊娠しませんでした。
この頃には、
「やっぱり子宮筋腫が関係しているのかな?」
という気持ちが少しずつ強くなっていました。
ただ、妊娠しなかった原因が子宮筋腫だけだと決まったわけではありません。
実際、医師からも、
「筋腫が妊娠に影響している可能性はあるけれど、原因だとは断言できない」
という説明でした。
つまり、
筋腫を取れば妊娠できる、とも言い切れない。
ここが、私にとって一番難しいところでした。
人工授精を始めても妊娠しなかった
タイミング法を半年続けた後、予定していた通り人工授精へ進みました。
最終的に、私は人工授精を5回受けました。
人工授精を続ける中でも、筋腫は徐々に大きくなっていきました。
妊活を始めた頃には5cm×6cmくらいだった筋腫が、その後のエコーでは7cm×8cmほどになっていました。
妊活を始めてから1年ほど経った頃だったと思います。
この頃になると、筋腫の大きさもかなり気になってきました。
そして、人工授精5回目を迎える前、医師から、
「手術も検討してもいいかもしれない」
と言われました。
ただ、意外だったのは、手術に前向きだったのはむしろ私のほうだったことです。
医師から「手術をしたほうがいい」と強く勧められたわけではありません。
「筋腫が妊娠に影響している可能性はある。でも、筋腫を取ったからといって妊娠できるとは断言できない」
という説明でした。
卵管の検査にも問題がなく、
「卵管に問題はないから、大丈夫だと思うけど」
というような説明も受けていました。
だからこそ、手術をするかどうかは簡単には決められませんでした。
「筋腫を取れば妊娠しやすくなる」とは言われたけれど
医師からは、
「筋腫が妊娠に影響している可能性はある」
「筋腫を取ることで妊娠できる可能性が上がるかもしれない」
とは言われました。
でも、
「筋腫を取れば妊娠できます」
とは言われませんでした。
当然ですが、妊娠にはさまざまな要因があります。
実際、日本産科婦人科学会も不妊症について、子宮の異常だけでなく、卵管や排卵、卵巣、男性側の要因など、さまざまな原因があるとしています。
だから、
「妊娠しない=筋腫のせい」
と決めつけることはできません。
でも、だからこそ私は悩みました。
子宮筋腫の手術をするのが嫌だった
正直にいうと、私はできれば手術をしたくありませんでした。
筋腫を取らなくても妊娠できる可能性があるなら、わざわざ手術をしてお腹に傷を残したくない。
しかも私の場合、子宮筋腫の手術をすると、その後妊娠した場合には帝王切開になる可能性があるという説明も受けていました。
「そこまでして手術をする必要があるのかな」
という気持ちはありました。
それでも、人工授精を5回受けても妊娠しませんでした。
そして、筋腫がある状態で人工授精を続けていくことにも、だんだん耐えられなくなってきました。
私が手術を決めた理由は「何かを変えたかったから」
人工授精を5回目まで続けることになった頃には、私はかなり精神的にしんどくなっていました。
「筋腫が原因なのかもしれない。でも、原因だとは断言できない。じゃあ、このまま人工授精を続けて意味があるんだろうか」
そんなことを何度も考えるようになりました。
手術をすれば妊娠できる、という保証があるわけではありません。
それに、手術をすればお腹に傷が残るし、妊娠した場合には帝王切開になる可能性もある。
できることなら、手術なんてしたくありませんでした。
それでも、筋腫がある状態のまま治療を続けていることが、私には深い沼の中を歩いているような感覚になっていました。
どれだけ歩いても、いつ抜け出せるのかわからない。
「筋腫を取ったら妊娠できる」と言われたわけではないけれど、少なくとも今の状態から何かを変えたかった。
このままずっと同じところを歩き続けるのは嫌だ。何でもいいから、この沼から抜け出したい。
そんな気持ちが、手術を決める大きな理由になりました。
そして、腹腔鏡下の子宮筋腫核出術を受けることにしました。
子宮筋腫があるなら、すぐ手術すべきなの?
私の経験からすると、「子宮筋腫がある=すぐに手術」という考え方にはならないと思っています。
実際、私も26歳で約3cmの筋層内筋腫が見つかったときには、経過観察でした。
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、妊娠を希望する場合の子宮筋腫について、単純に大きさだけで手術を決めるのではなく、部位、大きさ、個数、成長速度、症状、妊娠・分娩の時期などを考慮して判断するとされています。
また、無症状で長径5〜6cm以内の筋腫は定期的な経過観察が基本とされています。一方で、不妊などの症状がある場合や、長径が5〜6cmを超える場合には、個々の状況を考慮して核出術の必要性を検討します。
つまり、
「3cmだから大丈夫」
とも、
「7cmだから絶対に手術」
とも言い切れません。
自分の筋腫がどこにあり、子宮の形や妊娠にどの程度影響する可能性があるのかを、担当医と相談することが大切です。
私が子宮筋腫の妊活で感じたこと
私の場合、26歳で筋腫が見つかった時点では、まさか数年後に手術をするとは思っていませんでした。
「経過観察で大丈夫」
と言われていたので、その言葉を信じて妊活を始めました。
でも、妊活を始めてから筋腫は大きくなり、タイミング法を6ヶ月、人工授精を5回経験しても妊娠しませんでした。
その結果、最終的に私は手術を選びました。
今振り返っても、
「もっと早く手術しておけばよかった」
とは思っていません。
26歳のときは経過観察でよかったと思うし、30歳で妊活を始めたときも、まずはタイミング法を試してみてよかった。
人工授精を5回受けたからこそ、
「このまま続けるのではなく、何かを変えたい」
という自分の気持ちにも気づけました。
その時々で、自分が持っている情報の中から、そのときのベストを選んできた。
今はそう思っています。
子宮筋腫があって妊活を考えている人へ
私の経験だけを見ると、
「子宮筋腫があるから妊娠できなかったのかな」
と思う人もいるかもしれません。
でも、私自身も「筋腫が原因だった」とは言われていません。
子宮筋腫と妊娠の関係は、筋腫の場所や大きさ、子宮腔への影響などによって異なります。
だからこそ、子宮筋腫が見つかったら、
- 筋腫はどこにあるのか
- 大きさはどのくらいなのか
- 子宮腔を変形させているのか
- 大きくなっているのか
- 妊娠を希望する場合、経過観察でよいのか
- 手術を検討する必要があるのか
を医師に確認しておくと安心です。
また、妊活を始める場合には、筋腫だけに原因を求めず、必要な検査を受けながら総合的に考えていくことも大切だと思います。
まとめ|子宮筋腫があっても、妊娠できないとは限らない
子宮筋腫があるからといって、妊娠できないわけではありません。
ただし、筋腫の場所や大きさなどによっては妊娠に影響する可能性があり、妊娠を希望する場合には治療や手術を検討することもあります。
私の場合は、
26歳:3cm×3cmの筋層内筋腫が見つかる
↓
症状がなく経過観察
↓
30歳:妊活開始(筋腫は5cm×6cm程度)
↓
タイミング法6ヶ月
↓
人工授精5回
↓
筋腫が7cm×8cm程度に
↓
手術を検討
↓
腹腔鏡下子宮筋腫核出術
という経過でした。
手術をすれば妊娠できる、という保証があったわけではありません。
それでも私は、筋腫がある状態で不妊治療を続けることに限界を感じ、「何かを変えたい」という気持ちから手術を選びました。
同じように子宮筋腫があり、妊活を始めようとしている人にとって、私の経験が少しでも参考になればと思っています。
※この記事について
この記事は、筆者自身の子宮筋腫・妊活・不妊治療の体験をもとに、医学的な情報を加えてまとめたものです。治療方針は筋腫の状態や妊娠希望などによって異なるため、記事の内容だけで判断せず、担当医に相談してください。
医学情報の参考:日本産科婦人科学会「子宮筋腫」、「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」。

コメント